旅の歌

http://vision.ameba.jp/watch.do?movie=741330


 (鉄道唱歌 1900年)
 私は単純極まりないメロディとバリエーションだらけの歌詞、という音楽が好きです。鉄道唱歌は教職の模擬発表でも使った気がするが資料が出てこないのでとりあえず動画のみで。やっぱり「音楽の作品自体の(自律的な)面白さ」に重きを置けないんだなと。


うた物語/鉄道唱歌編

うた物語/鉄道唱歌編

 音源は多分これ。

 歌われた土地がほぼすんなりイメージできるのは、昼の鈍行、夜行、高速道路、そして新幹線で数え切れないほど行き来したルートだから。途上にある観光地も、それなりに見たことがあるから立体感がある。


 でもその代わり、東海道から外れて暮らしたことがほとんどなく、私の「日本」は見事にこの明治の鉄道の中に収まってしまっている。ごく最近、飛行機でなければ行けないような場所をぽつぽつ訪れてようやく、日本が広いという意味、遠い場所が本当に遠いということを実感した。


 ちなみに私が見たのはニコニコ動画バージョンで、視聴者(=地元民が順番に)が好き勝手コメントをつけているほう。耐性とアカウントがある方にはそちらのほうが飽きなくてお勧めかもしれません。


 東京地理教育電車唱歌

以下、思いつきで検索した結果


 まずWikipediaを見てみたら、鉄道唱歌は共作、そのうちの一人が東京地理教育電車唱歌を作ったとのこと。つまり一応「別の作品」としてクレジットされている。それにしては「似てる」というレベルでいいのかと思ったら、音価については「どれもピョンコ節」と書いてある。ピョンコ節、不勉強ながら初めて知った。


 こちらにも、

中学校音楽科教科書教材集(15枚組セット)

中学校音楽科教科書教材集(15枚組セット)

の一編、中学校音楽科教科書教材集 《日本音楽史〜日本の伝統音楽〜》
から、

2-23 国歌「君が代
指揮:増田順平/アーティスト:日本合唱協会/指揮:渡辺暁雄/演奏:日本フィルハーモニー交響楽団
2-24 同声2部合唱曲「花」
アーティスト:日本合唱協会
2-25 ピョンコ節「鉄道唱歌東海道編)」
アーティスト:西六郷少年少女合唱団

 リズム構造の名前ではなく、“ジャンル名"のようなものに化けているのだろうか。

 →ピョンコ節

 信頼できる書物でこの語が使われているのは、藍川由美著・「これでいいのか、にっぽんのうた」が唯一のものと思われる。

 

これでいいのか、にっぽんのうた (文春新書)

これでいいのか、にっぽんのうた (文春新書)

 とあるが、ウィキペディアの記事が書かれたのは比較的古いのだろうか。この論文

三井徹・高比良望 2002「音楽会が他者視してきたピョンコ節」金沢大学教育学部紀要. 人文科学・社会科学編 51,pp. 27-36


 音楽会ではなく「音楽界」。論文はこちらで手に入りました。