人かモノか?

 近隣の大陸都市部まで行ってきました。行ってきたというかついて行ったら着いたというのか、行きの入管では私だけパスポート、帰りは私だけSmart IDの自動ゲートを通って無事に。


 入管を抜けた途端、目の前に広がる空が異様に広くなった気がして、そしてそれは錯覚ではなく、恐ろしく何もかもが広いあの「中国」なんだ、とすぐに実感しました。とにかく何処へ行くにもバスがひたすら走り続け、歩いて移動できるのはメインストリートくらい、という。


 しかしびっくりしたのは、滞在先ホテルから昼でも一人では一歩も外へ出られないこと。10代の子が多いからかと思ったら、20代の男性でも必ず複数でないと、徒歩1分のコンビニすら行こうとしないという、香港人の徹底した安全管理ぶり。私の携帯はやはり通じなかったので、外の公衆電話を使おうとしてもそれすら自粛という状況でした。


  近くの広東省で、普通に母語が通じる地域(普通話のみの人もいるけれど、この世代の香港人普通話もできるので問題はあまりない)なのに、なぜ?と。どこにいても外国人であることに変わりのない自分には差がわからないという点を割り引いても、一人で中国を旅する日本人なんて山ほどいるわけで、何が危ないのか最初は本気で意味がわかりませんでしたが、時間が経つにつれてわかってきました。「大陸は危ない。怖い」と彼らが口を揃えて言う背後にある何か。


 で、それを本気で実感したのは、レクで遊園地に連れて行かれたときでした。


 デジカメの電池切れ間近だったのと、人が写っていない写真が少ないのでこんなのしかありませんが、防護ネットもなくどうみてもきっちりメンテしているとは思えない中国製絶叫マシーンの数々。普通に乗るんですよこれに。


 大音量でギシギシとおかしな音がしているのも構わず、乗れ乗れと言われましたが断固拒否しました。2年前の某事故が記憶に新しいのもあり、海外旅行保険で死亡をかけてこなかったのもあり、もともとそこまで得意じゃないのもあり、前日の飲み会で潰されて酷いことになった後だったのもあり。


 ひとつだけ強制参加のものは、水の上だったので落ちても何とかなるだろうと従いましたが、防護ビニルが破れてるよ!大丈夫か!と。


 私にしてみればどうみてもこっちのほうが「中国(製、で見るからに古くてメンテが怪しくて保障がなさそう)だから怖い」し、日本人から見た「中国は怖い」というのは、食や製品や政治的規制に関するものが多いと思うのです。


 が、香港の人々が怖がるのはあくまでも「犯罪と人災」なのか、と実感しました。地元の人からは、どういう作り話だろうというような「大陸の怖い話」をたまに聞くのですが、その威力を思い知った気がします。

 お化け屋敷よりも興味を引かれたのは、謎の迷路でした。多分迷路だと思うのですが、これだけは完全に初めて見ました。



 あとはこんなのとか。こうさりげなくどこにでも混じる“自文化”を見過ぎると、自分がポケモン世代や初期ガンダム世代の代表であるかのような気になってくるので危険です。そんなわけはない。