(関東の)聴文研に参加。

  • 騒音と政策について
  • ショパン作品の女性性について

 例によって本編6時間+懇親会2時間という長丁場。最初の二時間くらいはともかく、その後疲れと時間の経過を感じなくなるという不思議なシステムは健在だった。発表と討論を聞きながら、新しい課題がいくつも見えてくることが大きなメリットだと思う。「サウンドスケープ論の功績は、騒音問題に対するアプローチ法を変革したこと」と一行で済ませた事象の内実が、いかに困難な道のりであり続けているのかを知り、目の前に置かれた題材をいかに引き出すかというディスカッションを聞く。「ピアノを弾く」という行為の市民化に、セネットの公共性の話を必死で読んでいたことを思い出した。

 
 進学してから、他人の発表に対するコメントの技術の重要さも実感している。感じたことを言語化するだけでは不十分で、場の流れに応じて言葉を掬い上げてまとめる技術が足りない。ここの人たちもそうだが、優秀な院生ほどその能力に長けた人が多く、多分そのために議論の時間が長くなるのだと思う。知識量は敵わなくても、まずそのふるまいから見習って行きたい。

 
 宿泊先では数年ぶりに延々話しつづけた。かつて模索していた時期を部分的に共有していた人たちが、それぞれまっすぐ前だけに向かって頑張っているのを目の当たりにするたび、鈍い反省を繰り返すことは繰り返すのだが。