名前

 出発前にどうしたものかと悩んだのですが、結局イングリッシュネームを使わないまま生活しています。


 よく考えたら、私は大学関係者でも英語ネイティブの知人はほとんどいません(日本に来ている留学生はなぜか東欧の人が多かった)。が、香港・台湾在住の英語が話せる人は(大陸の人でも)大半がイングリッシュネームを持っているようです。最初は、えーなんでー?とか思ってましたが、去年の段階で納得。


 中国語・韓国語の名前は、漢字の読める我々でも非常に難しくて、日本人の発音で読むとまったく通じないらしく。自己紹介されても、3,4回聞き直さないとまず覚えられません。名刺をもらったり書いてもらったりするから、字面は出てくるけれど発音が再現できない。さすがに、週3で会っていた人たちは自然と覚えましたが。


 イングリッシュネームの利点は、「つける」というより「選ぶ」ところにあると思います。「聞いたことのない名前」というのはあまりないので(「誰かとかぶる可能性」は高いけれども)、カテゴライズが楽。さすがにカタカナで読むと電話なんかでは通じませんが、ちょっと短く発音するだけでちゃんと「呼んでる」と伝わります。


 私も昨年、英語名ないの?と何度か言われました。日本人がときどき言う「どうみてもアジア人の顔なのにクリスティ?ミシェル?」みたいな感覚は特に感じませんが(ポリティカルな意見以前に、多分昔見たオリンピックフィギュアスケートとかの影響)、私のファーストネームは、読みは日本人女性の名前としてメジャーです。中学一年生の英語の教科書に出てきたし。


 なので、そのまま自己紹介するのですが発音が難しいらしい。大抵、kとyの間にiの音が入っておかしなことになります。でもまあ、こちらが聞き取れればいいやと。漢字のほうは知らない人がいないので、普通話スピーカーが混じる大学以外では、現地発音で呼ばれるようになりました(普通話でも中国語発音で呼んでくれたほうが面白いのですが、先方が混乱しそうだ)。


 姓は国字のため、誰も読めません。教授も含め日本人以外は姓で呼ばないので、特に問題はないようです(さすがにこちらは教授に対しては姓で呼びますが)。ただ、入管にIDカードを作りに行ったら、打ち出せないから中国語に直せと言われました。ちなみに、韓国では姓のみで呼ぶのは失礼に当たるそうです。フルネーム+敬称が必須だとか。


 ちなみにイングリッシュネームを使うとしたら誕生日の守護聖人の名前にしようと思っていましたが(何故か音楽の聖人でもある)、本名と響きがかけ離れていて呼ばれても気づかなさそうなので、やはりこのまま行くことにします。