音を届けること

 19世紀の蓄音機から聴こえてくるのは日本植民地時代の音の記録で、


 その数時間後、現地滞在中の先輩と連絡を取って2年ぶりに話したのが、SkypeOut経由だった。


 つまりSterneの本で検証されている物語は、東アジアの事情/現状の中で読めばもっと違った筋書きになるはずで、しかも元々はそちらのほうがより自分の動機に「近いもの」なのだということをこの5年間ですっかり忘れてしまい、日本から離れてみたときに数年ぶりに気づかされた。そしてまた再確認する。


 海を渡った先でEmily Thompsonの本を目にしたのも結構衝撃だった。たぶん、同じような先駆者を追いながら同じような話ができる人はいろいろなところにいて、ただやっぱりどこにいても孤立している。その間をつなぐだけにとどまらない、顔の見える存在になることを目標に置きつつ、どこかで連携を取れたら良いなと夢想する。


The Soundscape of Modernity: Architectural Acoustics and the Culture of Listening in America, 1900?1933 (The MIT Press)

The Soundscape of Modernity: Architectural Acoustics and the Culture of Listening in America, 1900?1933 (The MIT Press)